
車検の基礎知識

車検の基礎知識
更新日:2024/03/21

「もし車検切れの状態で事故を起こしてしまったら、保険は下りるの?」
「車検切れの車にぶつけられた場合、泣き寝入りするしかないの?」
車検切れ(無車検)の車が絡む交通事故は、通常の事故とは比較にならないほど複雑で、数千万円単位の自己負担や裁判沙汰に発展するケースが非常に多くなります。
この記事では、絶対に知っておくべき「車検切れ事故」の恐ろしい実態を、「加害者になってしまった場合」と「被害者になってしまった場合」の2つのパターンに分けて徹底解説します。
車検切れの状態で事故の加害者になってしまった場合、免許停止や罰金といった行政・刑事処罰を受けるだけでなく、金銭的な賠償においてもまさに「地獄」を見ることになります。
車検が切れている車の99%は、セットで加入する「自賠責保険(強制保険)」も同時に切れています。(いわゆる無保険車)
通常、人身事故を起こせば自賠責保険から被害者へ治療費などが支払われますが、これが切れているため、被害者の治療費・休業損害・慰謝料などは、すべて加害者のポケットマネー(貯金や財産)から支払わなければなりません。数千万円〜億単位の賠償を背負うリスクがあります。
「自賠責がダメでも、高いお金を払って任意保険に入っているから大丈夫」と考えるのは非常に危険です。車検切れ時の任意保険の扱いは以下のようになります。
| 対人・対物賠償 (相手への補償) |
被害者救済の観点から「支払われるケースが多い」ですが、自賠責で本来カバーされるべき基礎金額(最大3000万円)は差し引かれるため、その足らず分は結局全額自己負担となります。 |
|---|---|
| 車両保険・人身傷害 (自分への補償) |
車検切れという重大な過失(免責事由)があるため、自分の車の修理代や自分のケガの治療費には「いっさい保険金は下りない(1円も出ない)」のが一般的です。 |
逆に、あなたが普通に運転していて、突っ込んできた相手(加害者)が「車検切れ&無保険」だった場合はどうなるのでしょうか?
加害者が無保険の場合、加害者本人に直接賠償請求をすることになります。しかし、車検も通せないような加害者は経済的に困窮しているケースが多く、「払えない」と逃げられてしまい、被害者が治療費や車の修理代を自腹で払う羽目になるトラブルが後を絶ちません。
相手が無保険で賠償金が取れない場合でも、被害者側は以下の制度を使って救済を受けることができます。万が一事故に遭ったらすぐに警察を呼び、ご自身の保険会社にも連絡してこれらの制度が使えないか相談しましょう。
| ① 政府保障事業 (国の救済制度) |
相手が自賠責保険すら入っていない(車検切れ等)場合、国(国土交通省)が加害者の代わりに、自賠責保険と同等の金額(治療費など)を立て替えて支払ってくれる制度です。(※後日、国が加害者に厳しく全額を請求します) |
|---|---|
| ② 自分の「無保険車傷害保険」 | あなたが加入している任意保険に「無保険車傷害保険」や「人身傷害保険」がついている場合、相手が払えない代わりに「自分が契約している自分の保険会社」が代わりにお金を払って手厚く守ってくれます。 |
車検切れでの事故のポイントは以下の通りです。
| 加害者のリスク | 自賠責が切れていれば足らず分は全額自己負担。自分のケガや自車の修理代(車両保険)も一切出ないため、自己破産レベルのリスク。 |
|---|---|
| 被害者の対応法 | 相手からお金が取れないと焦らず、「政府保障事業」や「自分の任意保険(無保険車傷害保険)」を使って自分の身を守る。 |
「ちょっと近くのコンビニに行くだけだから…」という軽い気持ちで車検切れの車に乗った結果、大事故を起こして一生賠償金を払い続けることになった事例は山ほどあります。
車検が切れてしまった場合は、1メートルであっても絶対に公道を運転せず、必ずレッカーを手配するか、役所で仮ナンバーを取得して適法な状態で車検業者へ移動させてください。
やさしい車検なら、
自動車整備士 鳥井