車検の基礎知識
車検の基礎知識
更新日:2023/11/09
ユーザー車検とは、車の所有者が自分で行う車検のことで、各地の運輸支局もしくは指定工場で受けることができます。
自動車を長く愛用するためには、定期的な車検が欠かせません。しかし車検は専門的な知識や経験が必要とされるため、多くのオーナーはプロに任せることを選びます。
それにも関わらず、費用面や車に対する理解を深める目的でユーザー車検を選択する人も少なくありません。
本記事では、ユーザー車検を行う上でのメリット・デメリットを明らかにし、その手続き方法についても具体的に説明します。これにより、あなたが自分自身で車検を行うことが得策かどうかを判断する上での一助となることでしょう。
車検は日本における自動車の定期的な安全確認であり、法律によって義務付けられています。
車検制度の目的は、車の安全性を保ち、公共の安全を確保することにあります。
通常、新車では初回登録から3年後、その後は2年ごとに車検を受ける必要がありますが、一部の商用車などでは例外も存在します。
具体的な車検手続きの流れとして、まず様々な部品や装置が国が定める基準に達しているかを点検し、必要に応じて修理や調整を行います。その後、保安基準に適合しているかを車検場で検査し、合格すれば車検証が交付されます。
自動車オーナーは、車検に伴う注意事項や点検項目を理解し、準備を怠らないことが求められます。車検では、ブレーキやタイヤの摩耗状態、灯火類の機能、排気ガスの状態など、安全に直結する多くのチェック項目があります。また、有効な自賠責保険の加入、税金の支払いなどが済んでいることも車検の受検条件です。
日本で車を所有すると、定期的に車検と呼ばれる自動車の安全性・環境基準適合検査を受ける義務があります。新車を購入した際、最初の車検は3年後に行う必要があり、それ以降は2年ごとに実施するのが一般的です。車検は、道路交通法に基づいて国土交通省が実施する制度で、自動車の安全性を維持し、交通事故の防止を図ることを目的としています。
車検制度の仕組みは、車の状態を定められた基準に沿って点検・整備し、その結果を車検証として発行するプロセスを含みます。このプロセスには、一連の点検項目があり、ブレーキシステム、タイヤ、照明設備、排気ガスなどが最適な条件を満たしているかどうかが厳しくチェックされます。車検は、自ら手続きをする「ユーザー車検」と、専門業者に依頼する「業者車検」の2つの方法があります。
車検証には有効期限が記載されており、期限内に次の車検を受けることが必要です。適合しない車両は公道を走行することができず、また期限切れの車検証で運転することは法律で禁じられ、これに違反すると罰則が適用される可能性があります。したがって、安全で適切な状態に保たれた車両運行のためにも、車検の頻度と仕組みをよく理解しておくことが重要です。
車検を受ける際には、それなりの費用が掛かることを理解しておく必要があります。車検費用は一般的に、重量税、自賠責保険料、そして車検基本料に分けられます。
このうち重量税と自賠責保険料は固定費であり、車検を行う場所やサービスによって変わるものではありませんが、車検基本料については車検場や整備工場によって差が出る部分です。
ユーザー車検を選択する最大の利点は、費用の節約が期待できる点にあります。従来の車検代行サービスと比較すると、明らかに経済的な選択肢と言えるでしょう。しかし、具体的な費用にはどのようなものが含まれるのでしょうか。まず、ユーザー車検の場合、必要とされるのは基本の車検費用です。この費用は、車検証の交付手数料、自動車重量税、印紙代が主要な部分を占めています。
例えば、普通乗用車の場合、自動車重量税は車両重量に応じて変動し、数万円かかります。加えて、24ヶ月点検(車検証の交付手数料)が固定で数千円、印紙代も数百円程度必要です。そして、自賠責保険への加入も欠かせないコストの一つですが、これは車検の有無に関わらず法律で加入が義務付けられており、車検と同時期に更新を行う方が多いため、車検コストと考えることもできます。
さらに、自分で点検および修理を行う必要がある部分での費用も忘れてはなりません。安全基準に適合するためには、ブレーキパッドの交換やタイヤの摩耗チェックなど、事前にしっかりとチェックし、必要に応じて修理や部品の交換を行うことが求められます。これにかかる費用は自動車の状態や必要な作業により異なりますが、これらを自己管理することで外注に比べコストを抑えることが可能です。
ただし、極めて重要な点は、車検時に発生する可能性のある不測の修理が追加された場合、費用が予期せず増加することがあるという点です。自身で対応できない複雑な修理が必要になった場合、専門の技術者に依頼することになり、その費用は予算を超える場合があります。従って、ユーザー車検を行う際には、ある程度の予備費を見積もっておくことが賢明です。
車検代行サービスを利用する際の費用は、サービスを提供する業者や車の状態、必要となる作業の範囲によって異なります。一般的には、車検代行費用には以下のような項目が含まれます。
・基本的な車検費用(自賠責保険料、重量税、印紙税など法定費用)
・代行手数料(業者が車検の代行を行うためのサービス料)
・点検・整備費用(車検に合格するために必要な整備作業の費用)
・追加修理・部品交換費用(必要となる場合)
これらの中でも特に変動が大きいのは点検・整備費用であり、車の使用状態や走行距離、整備の必要性に応じて金額が上下します。また、追加修理や部品交換が必要な場合、その費用も加算されるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
車検代行業者はその利便性から、多くの車のオーナーに選ばれていますが、中には不透明な費用体系を持つ業者も存在するため、こちらの評判や料金体系をしっかりチェックし、納得のいくサービスを選ぶことが求められます。
おおよその車検代行費用は、合計で数万円から十数万円程度となり、ユーザー車検に比べるとコストがかかることが一般的です。しかし、その分、専門のスタッフが車の状態を丹念にチェックし、法令に則ったきちんとした車検を受けられる利点もあるため、時間や労力を節約したい、車に関する知識が不足しているといった方には適した選択と言えるでしょう。
ユーザー車検を選ぶことの最大のメリットは費用の節約です。車検の際にかかる費用は大きく「法定費用」と「整備費用」に分けられますが、ユーザー車検では整備工場やディーラーを利用する際に発生する「代行手数料」や「追加整備費用」を削減することができます。また、仲介者がいないため、不必要な整備や修理を勧められることも少なくなります。
さらに、自分の車について深く理解する機会となります。ユーザー車検では自車の状態を自分自身で確認し、必要な部分のみを修理・整備することができるため、車に関する知識を深めることが可能です。これにより、今後発生するであろう車のトラブルに対しても、対処がスムーズになり得ます。
加えて、時間の融通が利くというメリットもあります。ディーラーや整備工場に車検を依頼すると、事前予約が必要な場合がほとんどですが、ユーザー車検の場合は、検査場の混雑状況や自分の都合に応じて柔軟に対応することができます。例えば、休日や仕事が早く終わった後に検査予約を入れるなど、ライフスタイルに合わせやすいです。
これらのメリットを総合すると、ユーザー車検は自動車の所有者にとって、経済的な利点だけでなく、知識や時間の有効活用といったさまざまな価値を提供する選択肢と言えるでしょう。ただし、車検には法定基準を満たすことが必須であるため、事前の準備と知識が重要です。
ユーザー車検は費用の節約や車に対する理解を深める点でメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。第一に、車検に必要な知識がないと、法的な要件を満たすことが難しくなります。専門性が要求されるため、検査を進める過程で想定外の問題が生じることがあり、それが大幅な時間の浪費につながる可能性があります。
また、自分で整備や検査を行うには、適切な工具が必要で、それらを揃えるための初期投資がかかります。さらに、車検場で他のプロの整備士に囲まれながら作業をすることになるプレッシャーを感じたり、慣れない環境での作業にストレスを感じる可能性もあります。
さらに検査に合格するためには、車両の状態を事前にしっかりと点検し、必要に応じて修理や調整を行う必要がありますが、専門的な知識や技術がない場合、見落としが生じたり余計な費用が発生したりするリスクも考えられます。加えて、合格後にも様々な手続きがあり、それらに伴う手間や時間も忘れてはなりません。
これらのデメリットを考慮した上で、自信と準備がある場合にはユーザー車検に挑戦する価値はありますが、必要な知識やスキル、時間がない場合には、車検代行サービスを利用する方が確実かつ効率的な選択となるでしょう。
自分で行うユーザー車検は、一連の手続きを理解し、正しく進める必要があります。以下のステップはユーザー車検の一般的な流れを示しており、車検に必要な書類の準備から検査の予約、車両の点検、書類の提出、最終的な検査までのプロセスを行いましょう。
・車検の準備
車検証、自賠責保険証、印鑑、車検費用を準備します。
・事前点検
ブレーキやライトなど、法的に定められた項目を自身で点検するか、整備工場で点検を受けます。
・整備箇所の修理
事前点検で不具合が見つかった場合は、必ず修理を行ってください。
・検査予約
自動車検査登録事務所に検査の予約をします。インターネットまたは電話で予約が可能です。
・必要書類の作成
検査申請書や自賠責保険費用納付書など、必要な書類を作成または取得します。
・検査当日
予約時間に遅れないよう、予約した自動車検査登録事務所に行きます。
・車両検査
窓口で書類を提出し、車両検査ラインを通して車検を受けます。
・合格証明書の受け取り
車検が合格となれば合格証明書を受け取ります。
・車検証の更新
合格証明書をもとに、申請窓口で新しい車検証を受け取ります。
この手続きを完了することで、法的に認められた車検証を更新し、引き続き運転を楽しむことができます。
ユーザー車検は、慣れればスムーズに行えますが、細心の注意を払い、安全な車両状態を維持するために責任を持って行う必要があることを忘れないでください。
この記事では、ユーザー車検のメリット・デメリットや手続き方法について徹底解説しました。
ユーザー車検のメリットとしては、時間と費用の節約が挙げられます。一方、デメリットとしては、知識や技術が必要であることや手間がかかることがあります。
手続き方法については、自分で行う場合の手順を詳しく説明しました。
車検に関する知識についても触れ、車検の頻度や自分で車検をする方法について解説しました。
また、ユーザー車検の費用と車検代行の費用についても言及しました。
この記事を読んだ後は、自分の車の状態や予算に応じてユーザー車検を検討することをおすすめします。
やさしい車検なら、
自動車整備士 鳥井