
車検の基礎知識
車検の基礎知識
更新日:2025/09/10
車を所有していると必ず訪れる車検。車検には1年ごとと2年ごとがありますが、一体どんな車が1年車検になるのかご存知ですか?この記事では、1年車検の対象車種やその理由、2年車検との違いを徹底解説します。自分の車が1年車検なのか、2年車検なのかを知りたい方、車検について詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
車検には、2年ごとに受けるものと1年ごとに受けるものがあります。1年車検の対象となる車は、どのようなものなのでしょうか。また、なぜ1年車検という制度があるのでしょうか。このセクションでは、1年車検の対象となる車種と、その理由について詳しく解説します。
1年車検の対象となる主な車種は以下の通りです。
タクシー、ハイヤー、レンタカーなど、営業用として使用される自動車: 頻繁に長距離を走行し、高い頻度で利用されるため、安全性を確保するために1年ごとに車検を受ける必要があります。
バス、トラックなどの事業用自動車: 運送事業に使用される車両も、同様の理由で1年車検の対象です。これらの車両は、不特定多数の人が利用したり、長距離輸送で過酷な状況下で使用されたりするため、より頻繁な点検が必要となります。
特定の用途に使用される特殊な自動車: 例として、消防車や救急車など、緊急車両も1年車検です。これらの車両は、常に最高の状態でなければならないため、細かく点検を行う必要があります。
上記以外の自家用車の一部: 一部の自家用車も1年車検の対象となる場合があります。これは、車両の使用状況や過去の違反歴などによって判断されます。
1年車検が義務付けられている理由は、主に以下の3点が挙げられます。
安全性の確保: 営業用車両や事業用車両は、一般の自家用車よりも過酷な条件下で使用されることが多く、故障のリスクも高まります。1年ごとに車検を行うことで、車両の状態を良好に保ち、事故のリスクを減らすことができます。
使用頻度の高さ: タクシーやバスなど、毎日長距離を走行する車両は、部品の劣化も早くなります。1年車検は、このような車両の早期の異常発見に役立ち、大きな事故を未然に防ぐ効果が期待できます。
法的な規制: 道路運送車両法などの法律によって、1年車検が義務付けられています。これは、国民の安全を守るための重要な規制の一つです。
1年車検は、利用者の安全を守り、社会全体の安全性を高めるために重要な役割を果たしています。
それでは、1年車検と2年車検にはどのような違いがあるのでしょうか。このセクションでは、車検の有効期間、検査内容、費用相場、そしてそれぞれのメリットとデメリットを比較していきます。
2年車検と1年車検の最も大きな違いは、車検の有効期間です。2年車検は、新車購入時の初回車検を除き、2年間有効です。一方、1年車検は、その名の通り1年間のみ有効となります。
有効期間が短い1年車検は、2年車検に比べて車検を受ける頻度が高くなります。この頻度の違いが、費用や手間、そして車の維持管理に大きな影響を与えることになります。
車検の検査項目自体に、1年車検と2年車検で大きな違いはありません。どちらの車検でも、国の定める保安基準に適合しているかどうかが検査されます。具体的には、ブレーキ、ライト、排気ガス、走行距離計、そして車体の状態などがチェックされます。
ただし、1年車検の方が検査の頻度が高いため、不具合が早期に発見されやすいというメリットがあります。2年車検では、2年間という長い期間の中で不具合が見過ごされてしまう可能性もゼロではありません。
車検費用の内訳は、大きく分けて「法定費用」と「それ以外の費用」の2つです。法定費用には、自賠責保険料、重量税、印紙代が含まれます。これらの費用は、車の重量や種類によって異なり、車検の有効期間に関わらず基本的に同じです。
それ以外の費用には、検査料、整備費用、部品交換費用などがあります。1年車検の場合、2年車検に比べて車検を受ける回数が多いため、これらの費用が合計で高くなる傾向があります。
ただし、1年車検では、早期に不具合を発見し、大きな修理が必要になる前に対応できる可能性があります。2年車検の場合、2年間で部品が劣化し、修理費用が高額になるケースも考えられます。車の状態や走行距離、使用状況によって費用は大きく変動するため、一概には言えません。
1年車検と2年車検には、それぞれメリットとデメリットがあります。1年車検のメリットは、安全性が高いことです。検査頻度が高いため、車の状態を常に良好に保ちやすく、万が一の故障や事故のリスクを軽減できます。また、税金や保険料の還付を受けられるケースがあるのもメリットです。
デメリットとしては、車検を受ける手間と費用が2年車検よりも多くかかることです。車検の度に、まとまったお金を用意する必要があります。また、車検期間が短い分、車検切れを起こすリスクも高まります。
2年車検のメリットは、車検にかかる費用を抑えられることです。2年に一度の車検なので、1年車検に比べて費用的な負担が少なくなります。また、車検の手間も減り、忙しい人にとっては大きなメリットとなります。
デメリットは、車の状態によっては修理費用が高額になる可能性があることです。2年間という長い期間、車の状態をチェックする機会が少ないため、大きな故障に繋がる可能性があります。また、車検までの期間が長いため、車検切れのリスクも高まります。
1年車検は、2年車検に比べて車検の頻度が高いため、見落としがちな注意点も存在します。ここでは、1年車検を受ける際に特に注意すべき点について解説します。
車検の有効期間が1年であるため、2年車検に比べて車検切れのリスクが高まります。車検が切れた状態で公道を走行すると、法律違反となり、厳しいペナルティが科せられます。
車検切れに気づかず走行した場合、以下の罰則が適用されます。
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
違反点数6点
30日間の免許停止
車検切れに加えて、自賠責保険も切れていた場合は、さらに重い罰則が科せられます。
車検切れを防ぐためには、車検証に記載されている有効期間満了日を常に確認し、車検の時期が近づいたら、早めに車検の予約をすることが重要です。また、車検満了日の1ヶ月前から車検を受けることができるため、余裕を持った対応を心がけましょう。
車検に関する違反をした場合、様々なペナルティが科せられます。ここでは、主な違反とそのペナルティについて解説します。
車検切れ: 上記で説明した通り、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金、違反点数6点、30日間の免許停止となります。
無車検運行: 車検を受けていない車を運行した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金、違反点数6点、30日間の免許停止となります。
不正改造車: 基準を満たさない改造を行った車を運行した場合、3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
これらのペナルティは、違反の内容や状況によって異なりますが、いずれも運転者にとって大きな負担となります。安全なカーライフを送るためには、車検の遵守はもちろんのこと、日頃から車のメンテナンスをしっかりと行い、交通ルールを守ることが重要です。
やさしい車検なら、
自動車整備士 鳥井