
車検の基礎知識
車検の基礎知識
更新日:2022/02/01
目次
車検の時期が近づくと、「何を用意すればいいんだっけ?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。必要書類に不備があると、車検証が交付されず、再度手続きが必要になることもあります。
でも、ご安心ください。この記事では、車検に必要なものを誰にでも分かりやすく、リスト形式で徹底解説します。
まずは、ご自身の状況に合わせて必要なものを確認できるチェックリストをご用意しました。車検の準備を始める前に、こちらで全体像を掴んでおきましょう。
必要なもの | お店に依頼 | ユーザー車検 | 備考 |
【書類】 | |||
①自動車検査証(車検証) | ● | ● | |
②自賠責保険証明書 | ● | ● | |
③自動車税納税証明書 | △ | △ | ※条件を満たせば提出省略可 |
④自動車検査票 | ● | 当日、窓口で入手 | |
⑤自動車重量税納付書 | ● | 当日、窓口で入手 | |
⑥継続検査申請書 | ● | 当日、窓口で入手 | |
⑦定期点検整備記録簿 | △ | ※後検査の場合は提出 | |
【書類以外】 | |||
①印鑑(認印) | ● | ● | 署名の場合は不要なことも |
②車検の費用 | ● | ● | |
③ロックナットアダプター | △ | △ | ※装着車のみ |
④発煙筒 | ● | ● | 有効期限内のもの |
この記事を最後まで読めば、必要なものの準備から、万が一書類を紛失した際の対処法まで、車検に関する全ての不安が解消されるはずです。一つひとつ確認しながら、万全の体制で車検に臨みましょう。
車検を受ける際は必要なものを準備しておかなくてはいけません。提出する書類に不備があると車検証を交付してもらえないため、事前にチェックしておきましょう。
車検には、大きく分けて2つの方法があります。
どちらを選ぶかによって、準備する書類の数が大きく異なります。
ディーラーや日頃から利用している整備工場などに依頼する方法です。点検・整備から書類手続きまで、全てお任せできるのが最大のメリットです。 その分、ユーザー車検に比べて費用は高くなる傾向があります。
この場合、
ご自身で用意する書類は最低限で済みます。
ご自身で運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)に車を持ち込んで、検査を受ける方法です。 お店に支払う手数料がかからないため、
費用を安く抑えられるのが魅力です。
ただし、全ての書類を自分で準備・記入する必要があり、手間がかかります。 また、検査は平日の日中しか行われていないため、時間を確保する必要があります。
まずはどちらの方法で車検を受けるかを決め、ご自身の状況に合わせて必要な書類を準備しましょう。
ここからは、具体的な必要書類を一つずつ見ていきましょう。
まずは、お店に依頼する場合でも、ユーザー車検の場合でも、
必ず必要になる3つの基本書類です。 これらは車検証などと一緒に保管している方が多いかと思いますので、まずは手元にあるか確認してみてください。
車検証にはAタイプとBタイプがあり、所有者情報の記載方法が異なります。 ローンを組んで購入した場合などは、所有者がローン会社になっているBタイプの場合があり、手続きの際に所有者への確認が必要になるケースもあります。 事前に記載内容を確認しておきましょう。
通常、自賠責保険の更新は車検と同時に行うため、期限が切れていることは稀ですが、念のため保険期間が車検の有効期間をカバーしているか確認しておくと安心です。
【重要】納税証明書の提出は、条件付きで省略可能です
2015年からシステムの連携が進み、以下の条件を満たしている場合、
納税証明書の提出を省略できるようになりました。
これは、納税情報がシステムに反映されるまでに時間がかかるためです。納付後すぐに車検を受ける場合は、データ反映が間に合わない可能性があるため、金融機関やコンビニの窓口で支払い、領収印が押された納税証明書を持参するのが確実です。
ご自身で運輸支局などに車を持ち込む「ユーザー車検」を選ぶ場合は、先に紹介した3つの書類に加えて、以下の4つの書類が必要になります。
これらの書類は、
基本的に車検当日に、運輸支局や軽自動車検査協会の窓口で入手・作成しますので、事前に家から持っていく必要はありません。
車検の準備は書類だけではありません。当日、スムーズに手続きを進めるために、以下のものも忘れずに用意しておきましょう。
継続検査申請書などの書類に必要となる場合があります。 最近では、使用者本人が署名すれば印鑑は不要なケースも増えていますが、業者によっては持参を必須としている場合もあるため、念のため認印を持っていくと安心です。
車検にかかる費用です。後述する「法定費用」と、点検・整備にかかる「車検基本費用」などが必要です。現金で支払うのが一般的ですが、業者によってはクレジットカードが使える場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
盗難防止用のロックナットをホイールに取り付けている場合は、それを取り外すための専用アダプターが必須です。 これがないとタイヤを取り外せず、点検・整備ができないため、必ず車に乗せておきましょう。
発煙筒は、万が一の際に周囲に危険を知らせるための装備で、法律で車に搭載することが義務付けられています。 車検時には、この発煙筒がきちんと搭載されており、かつ
有効期限内であるかもチェックされます。助手席の足元などに備え付けられていることが多いので、一度場所と有効期限を確認しておきましょう。期限切れの場合は、カー用品店などで新しいものを購入しておく必要があります。
車検にかかる費用は、車種や依頼する場所によって変動しますが、大きく分けて「法定費用」と「車検基本費用・整備費用」の2つで構成されています。
これは、どこで車検を受けても必ず同額がかかる、国や保険会社に支払う法律で定められた費用です。
こちらは、車検を依頼するお店(ディーラー、整備工場など)に支払う費用です。内訳は業者によって異なりますが、主に以下のようなものが含まれます。
車検費用の相場は?
車の状態や交換部品の有無によって大きく異なりますが、一般的に軽自動車で7万円前後、普通自動車で10万円〜15万円程度が目安と言われています。
正確な費用を知るためには、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
「いざ準備を始めたら、大事な書類が見当たらない…!」 そんな時も、慌てる必要はありません。車検に必要な書類は、万が一紛失してしまっても再発行が可能です。ここでは、書類別に再発行の手続き方法を解説します。
どこで再発行する?
普通自動車: ナンバープレートを管轄する運輸支局
軽自動車: 管轄の軽自動車検査協会の事務所・支所
必要なものは?
申請書(当日の窓口で入手)
手数料納付書(当日の窓口で入手)
理由書(紛失・盗難の理由を記入。当日の窓口で入手)
使用者の印鑑(認印)、または署名
本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
ポイント 再発行は代理人に依頼することも可能ですが、その場合は委任状が必要になります。
どこで再発行する?
ご自身が加入している保険会社(または代理店)の窓口
必要なものは?
契約者の印鑑(認印)
本人確認書類(運転免許証など)
契約内容を確認できるもの(保険証券番号が分かる書類など。不明な場合は保険会社に問い合わせましょう)
ポイント 再発行には数日から1週間程度かかる場合があるため、紛失に気づいたらすぐに保険会社へ連絡しましょう。
どこで再発行する?
普通自動車: 都道府県の自動車税事務所や県税事務所
軽自動車: お住まいの市区町村役場の税務課など
必要なものは?
車検証
印鑑(認印)
本人確認書類(運転免許証など)
ポイント 前述の通り、条件を満たしていれば納税証明書の提出は省略可能です。まずはご自身の状況を確認してみましょう。
全ての書類が手元に揃ったら、最後に不備がないか最終チェックを行いましょう。うっかりミスで車検証が発行されない…なんてことを防ぐため、特に重要な2つのポイントを解説します。
納税証明書を提出する場合は、内容をしっかり確認しましょう。特に、金融機関などで支払った際に押される
領収日付印(出納印)が鮮明に押されているかは重要なポイントです。 印鑑が不鮮明だと、正式な証明書として認められない場合があります。
また、複数台の車を所有している方は、車検証のナンバーと納税証明書のナンバーが一致しているかも、念のため確認しておくと間違いがありません。
自賠責保険証明書に記載されている
保険期間の終了日が、次の車検満了日よりも後になっているかを確認してください。
通常、車検と同時に自賠責保険も更新するため、期間が不足することはほとんどありません。 しかし、万が一保険の有効期間が車検期間をカバーしていない場合、車検証を交付してもらうことができませんので、事前のチェックをおすすめします。
今回は、車検に必要なものについて、書類から費用、紛失時の対処法まで詳しく解説しました。
車検の準備は少し手間に感じるかもしれませんが、事前に必要なものをしっかり把握し、一つひとつ確認しておけば、決して難しいものではありません。
必ず必要になる基本の書類は、以下の3つです。
ユーザー車検に挑戦する方は、これに加えて当日窓口で入手する書類がいくつか必要になります。
やさしい車検なら、
自動車整備士 鳥井